毎年秋は研修シーズンなのですが、今年は様子が一変している。
私が学ぶボディーワークの’師’と仰ぐ人は海外にいらっしゃってこの新型コロナウィルス感染予防措置で入国できずにすべてオンラインでの講義となっています。時差もあるため早朝や深夜にログインして受講しています。
YAMUNA(R)のリサートと呼ばれる資格保持者の更新のための講座も同様に行われました。今回のテーマは前腕(forearm)でつまり肘から指先までを詳細にワークすること3日に亘り12時間。
ヤムナ・ボディ・ローリングは専有のボール(ヤムナ・ボール)を使ってターゲットの筋肉にアイロンをかけるように丁寧に当てて筋膜を伸ばすセルフワークですが、腕は自身で行うのが少し難しいと思っています。それは、小さいパーツの中にたくさんの筋肉があることと、人によってや利き手の違いもあり、手や腕の使い方がまちまちであったり、ボールにうまく体重をかけにくいというところです。しかし、難しいながらもやればやるだけ変化を感じ取れる興味深いパーツでもあります。
私は左前腕からパソコン画面のヤムナ・ゼイク氏の動きを見ながら自身で行ってみました。
前腕のそれぞれの筋肉を順番にリリースしていくのですが、腕が伸びて長くなるのは容易に想像できるのですがそれにより起こるカラダの変化たるや予想以上のことが起こります。(カラダ・オタクの私はそれが愉しくて仕方がないのですけどね)
1日目は途中から喉の左側に閊(つか)える感覚で咳が出始めました。
しばらく咳ばらいをして調整しようとします。左側が終わったときに俄然左の顔面~後頭部にかけて変化が起こりました。
二日目は初日の復習と残りのワークを。
終わった後は呼吸が入りやすくなりましたが、その後ずっと欠伸が止まらず30回くらい続きました。そして早々に就寝するもなかなか眠れませんでした。
このようなあまり良いと思われない反応が起こるのも私にとっては貴重な経験。(ヒーリングクライシスと言ったりします)
最終日の三日目は総復習とクライアントへのハンズオンサポートの練習。
正しく導いてあげることで腕の骨の捻じれが修正されて動きがよりスムーズになることが期待できます。
二日目に感じた胸のつかえは既になく、頭部が軽く感じて鼻からの呼吸がラクになりました。
そして何より驚いたのは翌日の朝で右側の腰背部や左側の脇腹の部分に伸びを感じられたことでした。いつも違和感を感じていてピラティスやジャイロトニックなど自分の知る限りのワークを行って調整しているところでした。
あらら、こんなところに答えがあったのね。
柵(しがらみ)とは川の水の流れを弱めるために枝や竹で作った柵状のもの。本来はとても役に立つものだったのに、現代では’邪魔なもの’として捉えられています。
手指や腕は長い年月をかけて自身の人生を切り拓くために活躍してきたのですがいつしかその柵に余計なものが溜まりすぎていて今度は自身を困らせていたのかも。たまには絡みついたものを取り払うことが必要なのでしょう。
下載清風(あさいのせいふう)
荷物を沢山積んだ船が港で積み荷を降ろした後は気持ちよく風に乗ってすいすいと進んで帰っていくさまを表現した禅語。
重たい荷物をここらで下ろしてみよう。
また素敵な宝物を拾った喜びに包まれたのです。
たまたまその日に腕が挙がらなくなった方にこのワークをご紹介しました。
肘から先しかワークしていないのですが、重心の位置が左、そして前方なのが中心になり落ち着いています。なにより呼吸がしやすいとのことでした。
(Beforeではカラダの前面が長いです。腕もかなり前にありました。)